粉瘤(アテローム)

粉瘤(アテローム・表皮嚢腫)とは

粉瘤(アテローム・表皮嚢腫)とは何らかの原因で皮膚の下に風船のような皮膚の袋ができて、中に垢(角質や皮脂)が溜まり続けていく腫瘍です。
良性の皮膚腫瘍の一種であり、アテローム、表皮嚢腫(のうしゅ)とも呼ばれます。

症状

粉瘤は、皮膚があるところでは、全身のどこにでも出来ます。多くの場合、皮膚が少し盛り上がった“しこり”として見つかり、よくみると中央に黒い点のようなものがあります(皮膚開口部)。
俗に“脂肪のかたまり”と言われていますが、内部は脂肪ではなくて垢なので、独特の匂いがします。基本的に自然治癒することはなく、放って置くと徐々に大きくなっていきます。皮膚開口部から細菌が侵入すると、化膿して腫れ上がり、痛みを伴います。

術前検査・診断

典型的なものは、問診・視診・触診で概ね診断できますが、分かりにくいものや手術をする際の評価にエコー検査を行います。

粉瘤のエコー画像粉瘤のエコー画像

治療・術後診断

粉瘤は、放っとくか切って取ってしまうしかありません。切って取ってしまう場合は、局所麻酔下で、皮膚・皮下腫瘍摘出術を行います。部位や腫瘍のサイズによっては、連携施設へ紹介することがあります。

基本的に良性なので、放置しても構わないのですが、化膿して腫れ上がってしまうことがあります。化膿して腫れ上がった場合には、炎症が腫瘍の内部や周囲で起こり、膿が内部にたまった状態なので、すぐに摘出することは出来ず、まずは炎症や膿を取り除く必要があります。局所麻酔下で、皮膚の一部を切開し、内部の膿を洗い流す処置(切開排膿、皮膚切開術)を行います。切開したのちは、炎症を鎮めるため1週間ほど内部の洗浄を行うため、通院が必要になります。必要に応じて抗生物質・痛み止めの内服を行います。残った腫瘍は、1ヶ月ほど空けてしっかりと炎症を落ち着かせたのちに、改めて摘出手術を行います。

摘出した腫瘍は、病理検査に提出して、病理学的に最終的な診断をします。
費用は、部位や腫瘍のサイズによって変わりますが、おおむね10,000〜20,000円程度です。

術後の注意点

当日
  • 術後出血を防止するため、ガーゼで圧迫固定します。
  • 患部は水に濡らさないようにして下さい。
  • アルコールを摂取すると血行が良くなり出血のリスクが上がるため、飲酒を控えるようにしてください。
  • 動くことにより創部から出血することがあるので、自宅でもできる限り安静にしてください。ul01
翌日
(翌々日)
  • 創部の状態や出血の確認を行うために受診していただきます。
翌日以降
  • 創部が問題なければ、シャワーは可能です。シャワー時に石鹸で優しく傷口を洗ってください。感染を避けるために、入浴は、抜糸が終わるまでは控えて下さい。
  • 創部が問題なければ、飲酒も可能ですが、適度にお願いします。
  • 運動に関しては運動の内容や傷の場所などによって制限は変わりますが、激しい運動は、傷が開いたり、術後出血のリスクとなるので、抜糸が終わるまでは控えて下さい。
1週間〜10日後
  • 抜糸のために受診していただきます。
  • 病理検査の結果をお伝えいたします。
  • 傷痕をきれいに治すためのテーピング指導を行います。

 

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