水虫ってなに?
水虫とは、足に発生する浅在性皮膚真菌症の俗称です。真菌とは、いわゆるカビのことです。皮膚真菌症の中で最も多いのが、白癬菌感染です。次いでカンジダになります。
今回は主に白癬菌でお話しさせていただきます。
白癬菌がどこに感染したかで病名が決まります。
つまり、足の裏や趾間にカビが感染したものを水虫と呼んでいます。(表1)
(表1)皮膚真菌症の種類
浅在性皮膚真菌症(白癬菌・カンジダetc.)
- 頭部白癬(しらくも)
- 股部白癬(いんきんたむし)
- 足白癬 (みずむし)
- 顔面白癬
- 手白癬
- 趾間白癬(みずむし)
- 体部
- 手爪白癬
- 足爪白癬(爪みずむし)
深在性皮膚真菌症
水虫の症状
足白癬
趾間型、小水疱型、角質増殖型があります。世間では、みずむし=かゆいものと思われがちですが、みずむしの人で痒がる方は10%程度です。
痒くなるのは夏季だけで、秋になると痒くなくなるという事が多いです。
趾間型
足指のあいだが白くふやけ、じゅくじゅくしたり、皮がむけたりします。
小水疱型
字のとおり小さな水疱が土踏まずや足のふちにできます。
角質増殖型
足の裏やかかとが固くなっていきます。ひび割れなどの症状もみられる事があります。かゆみなどを伴わない事が多く、時に爪白癬を合併する事が多いです。
爪白癬
よく見られるのは爪が濁り、厚くなる事です。痒みなどの症状はありません。
爪がぼろぼろになってきます。手の爪に生じる事もあります。
爪の変形=爪白癬ではありません。爪白癬で分厚くなることがある程度に考えて下さい。
体部白癬、股部白癬(いんきんたむし)
弧を描くようなポツポツが遠心状に広がります。痒みを伴い、時に赤みを伴います。
水虫の検査・診断
爪や皮膚の角質の一部を削って顕微鏡で白癬菌(カンジダ、マラセチア含む)を直接みる検査(検鏡検査)で診断します。
検査までにみずむしの薬を塗ってしまっていると検査で見つからなくなるので、診断を確実にするためには、薬を事前に塗らずに受診していただく方が助かります。
白癬菌(×400)
水虫の治療
- 足白癬、体部白癬
抗真菌薬の塗り薬を塗ります。
抗真菌薬は時々かぶれることがあるので、注意が必要です。症状がなくなっても、塗るのをやめると再発することが多いので、最低3ヶ月以上は毎日塗り続けるようにしましょう。
お風呂上がりに1日1回塗るように指導していますが、足の裏に塗る場合は、家の中がベタついて困ったり、靴下を履いて寝たりしないといけないので、困る時は、朝起きて、靴下を履く前に薬を塗るようにしてみて下さい。 - 爪白癬
内服療法と外用療法があります。
有効率は、内服が70%、外用が20%強なので、内服の方が圧倒的に治癒が見込めます。
そのため、第1選択は内服療法になります。病状が進行した場合、内服しても治らなくなるので、どんな病気もそうですが、治療は早めにすることをお勧めします。外用を選択する人
- 肝臓や腎臓の数値が悪い人
- 合併症が多く、内服が難しい人
- すでに多くの内服薬を飲んでいる人
- 妊娠中の人
- どうしても薬を飲みたくない人
進行した爪白癬
こうなると何をしても治りません。こうなる前に受診しましょう。